Advantech Intel® Elkhart Lake Atom™プロセッサ搭載 最新SMARC2.1モジュール SOM-2532を発表
組込みIoTソリューションのリーディングプロバイダーであるAdvantech(本社 台湾)とアドバンテックテクノロジーズ(福岡県直方市 旧オムロン直方)は、最新世代のIntel® Elkhart Lakeプロセッサを搭載したSMARC 2.1モジュール「SOM-2532」を発表しました。
「SOM-2532」は最大4コアを搭載可能、前世代CPUと比較して性能が40%向上し、高度なグラフィックス処理を実現します。この革新的なソリューションは、PHY(OSI階層モデルにおける最下層の物理層)のTSN(Time-sensitive networking)をサポートする2X GbELAN、三画面独立型4Kディスプレイ対応、2X USB 3.1 Gen 2(10Gbps)、SATA(Gen3)などの複数のI/Oをサポートしています。高性能CPUや豊富なI/Oを搭載できるため、産業用制御システムや通信、オートメーション、AGV(無人搬送車)、医用画像処理など、様々なアプリケーションに最適です。
主なアプリケーション
FA(ファクトリーオートメーション)
AGV(無心搬送車)
医用画像処理
最新世代のIntel® Elkhart Lakeプロセッサを搭載したAdvantechのボードラインナップの詳細: |
性能を大幅に向上させる最新のSMARC2.1規格製品
SMARC2.1モジュール「SOM-2532」は、Intel® Elkhart Lakeプロセッサを搭載し、拡張帯域幅のために追加のデバイスやデータ・ピンを使用せずにECC保護を提供するIBECC (インバンド 誤り訂正符号)の最大16GBのオンボードLPDDR4(3200Mt/s)をサポートしています。また、PHY(OSI階層モデルにおける最下層の物理層)のTSN(Time-sensitive networking)に対応するデュアルGbe LAN、2X CAN FD(車載ネットワークCANの拡張版)を備え、最大4Kの3画面独立型ディスプレイに対応しています。前世代と比較してCPU性能が40%、グラフィック性能が2倍も向上しており、オンボードUFS2.1 フラッシュストレージ(最大256GB)を備えているため、eMMC 5.1フラッシュストレージと比較して、読取り速度が40%、書込み速度が20%も向上しています。
「SOM-2532」は異なる通信プロトコルを使用しているデバイス同士でも容易な通信ができるよう設計されており、医療現場やFAなどのエッジIoT環境おいてもその能力を発揮します。
低遅延通信でデータの即時性が向上
「SOM-2532」は、USB 3.2 Gen2(10GT/s)、PCIe Gen3(8.0GT/s)を搭載し、従来モデルよりデータを高速転送できます。また、CAN-FD(車載ネットワークCANの拡張版)対応により最大8Mbpsのデータ転送速度を実現しており、データ集約型アプリケーションで使用されるペイロード(伝送されるパケットのヘッダー部を除いたデータの本体)通信の10倍の速度を達成しています。さらに、通信速度の上昇に伴うペイロードデータ量の増加とCAN-FDにより、セキュリティも強化されます。
ネットワークに関してはPHY(OSI階層モデルにおける最下層の物理層)のTSN(Time-sensitive networking)に対応するデュアルGbe LANをサポートしているため、デバイスの通信精度を向上できます。 これは、ネットワークを介したデータ同期の精度を向上させるほか、ジッター(データ伝送のトラブル)を最小限に抑え、デバイスのリアルタイム通信の遅延を減らします。
最新の通信規格対応や高性能ストレージの搭載により、「SOM-2532」はオートメーションおよび輸送分野のアプリケーションにも利用可能なソリューションとなっています。
ハイレベルなセキュリティと安定性でデータを保護
「SOM-2532」は、産業用オートメーションにおけるサイバーセキュリティをサポートするため、デュアルLANを搭載しています。 ユーザーは、内部LANを介してAdvantechのデバイス管理ソフトウェア「WISE-PaaS/OTA(リモートソフトウェア更新)」を使用し、複数のシステムに接続、またはファームウェア更新をバッチ処理し、重要なデータを保護できます。
また、様々な使用条件下で異なる独立型LANを介し、外部通信を行うことができるほか、LPDDR4メモリによる防振設計、オンボードのUFS、広範囲な動作温度(-40〜85°C)により、システム全体の信頼性を向上させます。
「SOM-2532」は機能安全分析(Fusa)により機械の誤動作によって引き起こされる危険を低減できるため、ポータブルデバイスや産業用アプリケーションにとっても最適なソリューションです。
主な特徴
- Intel® Elkhart Lake(Intel Atom® x6000、Pentium® 、Celeron® x6000 シリーズ)プロセッサ搭載、SMARC 2.1規格モジュール
- 最大16GBのデュアルチャンネルLPDDR4(3200MT/s)、IBECC(インバンド 誤り訂正符号)サポート有り
- 三画面独立型ディスプレイ:LVDS(1920 x 1200_60Hz/eDP)、DP ++(最大4096×2160_60 Hz)、HDMI(最大3840×2160_30 Hz、4096×2160_60 Hz)
- 4x PCIe x1、2X GbE LANサポートTSN、2X USB 3.2 GEN2、4X USB 2.0、14X GPIO ・1X UFSオンボードストレージ、1X SATA III
- 動作温度:標準 0〜60°C、拡張 -40〜85°C
- Advantech の「iManager」、「WISE-DeviceOn」、 組込みソフトウェアAPIに対応
その他のSMARCモジュール(ARMプロセッサ)
SMARCモジュール NXP i.MX8M ROM-5720 を発売
ROM-5720は、HDMI 2.0を介した解像度4K p60(3840 X 21、毎秒60フレーム)と、HDRに対応した4K p60 H.265デコードをサポートしており、様々なインターフェースに対応できます。
SMARCモジュール i.MX8 ARM ROM-5620
車載グレードのSoCやインダストリアルグレードの部材を採用し、長期ライフサイクルのサポート、低消費電力、-40℃~85℃の広範囲な動作温度を実現しています。
カスタマイズにも対応
日本国内においては、COM-HPCボード単体の販売に留まらず、アドバンテックテクノロジーズ(ATJ 福岡県直方市)のエンジニアチームが、お客様専用のキャリアボードや筐体全体の設計まで含めたMade In Japanのデザインサービス・テクニカルサポートを提供可能です。 (ATJデザインサービス:https://blog.advantech.co.jp/service)
Advantechについて
Advantechは、IoTインテリジェントシステムおよび組込みプラットフォームの分野でグローバルトップシェアのインダストリアル・プラットフォームメーカーです。「Enabling an Intelligent Planet(インテリジェントプラネットの実現)」をコーポレートビジョンに掲げ、近年はIoT、ビッグデータ、AIのトレンドを取り入れ、エッジインテリジェンスなWISE-PaaS AIoTプラットフォームとマーケットプレイスのインダストリアル業界向けソリューションを提供し、クライアントとビジネスパートナーとが結びつきを深め、AIoT時代の新たなビジネスをCo-Creation(共創)できるエコシステムの実現を進めています。
(ウェブサイト:www.advantech.com)
アドバンテックテクノロジーズ(ATJ)について
アドバンテックテクノロジーズ株式会社 (略称:ATJ、旧オムロン直方) は、Advantechグループの日本国内拠点として、Advantech製品の販売ならびに、医療設備、ロボット産業、設備産業などのインダストリアル向け電子機器のMade In Japan 開発・製造サービス(DMS/ODM/EMS)を提供しています。Advantechの豊富なAIoT関連製品を日本国内のお客様ニーズに合わせたカスタマイズサービスにも対応し、AI x IoT時代の新たなデザイン・イン・サービスをご提案致します。