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屋外パーキングメーターへのボード組込み事例 3.5” SBC RSB-4411

2020/09/24

 

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昨今、家賃と人件費の増加により、セルフサービス向けデバイスの需要が高まっています。世界的な大手市場調査会社である”Research and Markets”のレポートによると、2020年から2024年の間にセルフサービスキオスクのグローバル市場規模が22.9億米ドルまで成長すると予想されており、最新のセルフサービスキオスクは、自動車のナンバープレート認識技術とキャッシュレス決済技術を統合して、トラフィック管理を自動化しています。

ソリューションの要件  

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公共駐車サービスに特化した台湾本拠のシステムインテグレータ(B社)は、パーキングメーター(自動精算機)向けに、屋外環境で安定して動作するファンレスで低消費電力の組込みボードソリューションを探していました。ボードの要件として、ナンバープレートを認識するカメラやキャッシュレス決済用のNFCカードリーダーなどに接続するUSB、GPIO、UARTポートのサポート、およびIoTデバイスのデプロイを容易にする柔軟な無線接続対応が必要とされました。

ソリューションの詳細

B社は、パーキングメーターに組み込むボードとして、NXP ARM Cortex-A9 i.MX6 プロセッサを搭載したAdvantechの3.5" 組込みシングルボードコンピュータ 「RSB-4411」を採用しました。3x RS-232、5 x USB、GPIO(20ピン)や4G/LTE通信モジュール向けの拡張インターフェースをサポートし、カメラ、カードリーダー、車両検出センサー、ボタン、インジケーターと接続可能で、4G/LTEカードとの互換性を持つため、パーキングメーター(自動精算機)の要件を満たします。

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さらに、幅広い電源の入出力、および幅広い動作温度に対応しており、出力電圧が不安定な場合や過酷な屋外環境においても安定した動作を保証します。「RSB-4411」は安定した動作を求められるアプリケーションプラットフォームで省電力コンピューティングを実現します。

 

AdvantechのSBCフォームファクタ

AdvantechのARMベースのシングルボードコンピューター(SBCコンピューター)は、2.5インチ(100x72mm)、3.5インチ(146 x 120mm)、mini-ITX(170x170mm)のフォームファクタをご用意しております。 RSB-4411_1200x573_form_factorクリックして拡大

 

プラスアルファの拡張対応

「RSB-4411」の姉妹製品である「RSB-3430」は、Advantechの「UIO40-Express: UIO 拡張ボード」を接続することによって、I/Oのさらなる拡張が可能です。

 

「RSB-4411」の特徴
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RSB_4411のI/O

 

  • NXP ARM Cortex-A9 i.MX6デュアル/クアッドコア(最大1.0GHz)
  • オンボードのメモリ(1GB)、eMMC NANDフラッシュ(4G)
  • 1x GbE、5x USB 2.0、3x RS-232、GPIO(20ピン)、2x I2C、 1x SPI、3x UART
  • 電源入力:12-24VDC、拡張温度対応:-40~85℃
  • WIFI/Bluetooth用M.2、WIFI/3G 用 mini-PCIe をサポート
  • HDMI およびVGA 1920x1080 / 60Hz、デュアルチャネル18/24 bit LVDS
  • フルHD 1080P ハードウェアビデオコーデックエンジンをサポート
  • コンパクトサイズ、低消費電力
  • Linux および Android をサポート
  • リモート管理ソフトウェア「WISE-DeviceOn」をサポート

 

「RSB-4411」の詳細はこちら

無線モジュールの統合

パーキングメーターや屋外の自動精算機には信頼性の高いインターネット接続(4G/LTE用)とそれに対応するドライバーが必要です。Advantechは、FDD-LTE/TDD-LTE/WCDMA/GSMA対応のネットワークモジュールをmini-PCleスロットに接続することで、これらの要件を満たしました。また、「RSB-4411」に組み込む4G/LTEモジュールには、アンテナとRFケーブルが内蔵されているため、お客様のニーズに応じた無線通信規格を選択できます。

組込みソフトウェアサービス

Advantechは、組込みソフトウェアサービスである「AIM-Linux/Androidサービス」を提供しました。このサービスは、Advantechのプラットフォーム上でお客様のソフトウェア 開発を加速化することを目的として、柔軟でモジュール化されたフレームワーク、各種産業の基盤への対応、長期的なBSPメンテナンス、製品寿命期間にわたるサポートを備えています。AIMサービスでは、お客様が特定の業界・業種に特化したアプリケーションの開発に専念できるよう、検証済みの断固たる基盤(統一組込みプラットフォーム)、付加価値の高いサポート(アプリ、アドオン、SDK)、ならびに組込みLinux、Androidを提供します。

 

このサービスを活用してB社は、パーキングメーターやセルフサービス支払い端末(自動精算機)の起動画面、タイミングスイッチ(タイムスイッチ)、画面回転機能において、カスタマイズ機能を容易に追加できました。さらに、Advantechは長期サポート付きAndroid OSも提供しており、B社は将来のOS更新にも容易に対応できます。

 

 

AIM-Linuxサービス
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AIM-Androidサービス
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WISE-DeviceOnによるリモートマネジメント

「RSB-4411」には、Advantechのリモート管理ソフトウェア「WISE-DeviceOn」が付属されているため、デバイスを個別、または、一括でリモート制御、診断できます。このソフトウェアは、デバイスの動作状態のトラッキングや無線ソフトウェア(OTA)のアップグレードをサポートしており、これらの機能を活用することで、お客様はダウンタイムを削減し、駐車状況を常に容易に把握できます。

 

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WISE-DeviceONの詳細はこちら(動画)

まとめ

「RSB-4411」を採用し、リモートマネジメント機能を活用することで、B社は、パーキングメーターやセルフサービス支払い端末(自動精算機)の管理能力を向上させ、メンテナンスコストを削減しました。この事例のように、Advantechは端末に組み込むボードからデバイスをリモート管理するソフトウェアまでを一括で提供することで、効率的なデバイス管理を実現し、お客様の課題解決をサポートします。

 


Advantechについて

Advantechは、IoTインテリジェントシステムおよび組込みプラットフォームの分野でグローバルトップシェアのインダストリアル・プラットフォームメーカーです。「Enabling an Intelligent Planet(インテリジェントプラネットの実現)」をコーポレートビジョンに掲げ、近年はIoT、ビッグデータ、AIのトレンドを取り入れ、エッジインテリジェンスなWISE-PaaS AIoTプラットフォームとマーケットプレイスのインダストリアル業界向けソリューションを提供し、クライアントとビジネスパートナーとが結びつきを深め、AIoT時代の新たなビジネスをCo-Creation(共創)できるエコシステムの実現を進めています。

(ウェブサイト:www.advantech.com

アドバンテックテクノロジーズ(ATJ)について

アドバンテックテクノロジーズ株式会社 (略称:ATJ、旧オムロン直方) は、Advantechグループの日本国内拠点として、Advantech製品の販売ならびに、医療設備、ロボット産業、設備産業などのインダストリアル向け電子機器のMade In Japan 開発・製造サービス(DMS/ODM/EMS)を提供しています。Advantechの豊富なAIoT関連製品を日本国内のお客様ニーズに合わせたカスタマイズサービスにも対応し、AI x IoT時代の新たなデザイン・イン・サービスをご提案致します。

 

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