ドローン向けエッジAIコンピュータ「BUD」をアップグレード
アドバンテックは、2022年12月に自律ドローンの知的制御に必要となるコンパニオンコンピュータプラットフォームとして「BUD」(Brain Unit for Drone)をリリースし、翌2023年にドローン オープンプラットフォーム(DOP)プロジェクトが提唱するDOP HUB構想の対応コンピュータとして国内で初めて認定されました。
アドバンテックの「BUD」は、これまでエコパートナーとの共創により実証実験を重ね、新たな特許技術も盛込まれたアップグレードが実施されました。
今回のアップグレードの主な変更点
- BUDに各種デバイス(フライトコントローラー、カメラ、パラシュート、バッテリー等)を有線接続する際に防水機能を維持したまま容易に接続できる構造に変更、かつメンテナンス性を改善
- 筐体構造を大幅に見直し、筐体強度と放熱性能、およびドローン本体への取り付け自由度を向上
- 超小型、超軽量、低消費電力で、従来のAI推論性能の約30倍のパフォーマンスを持つAI推論モジュール(Hailo-8エッジAIプロセッサー)の搭載が可能
ロボット業界におけるドローン(無人移動体)は、2022年、および2023年に航空法の規制も緩和され、有 人地帯における遠隔制御による無人飛行(レベル4、レベル3.5)が可能となり、2028年には、現在5,00 0億円規模の約2倍である約1兆円規模に国内市場が拡大すると予想されている産業分野です。
出所:インプレス総合研究所作成
産業用コンピュータ(IPC)の分野で世界トップシェアを誇るアドバンテックは、今後益々産業用ドローンの社会実装が進んでいく中で、ドローンが安全・安心な飛行を実現するうえで欠かせない、高い品質と信頼性をもつコンパニオンコンピュータプラットフォームの提供に寄与したいと考えています。
またアドバンテックは、国内有数の産業用ドローンコンソーシアムであるドローンオープンプラットフォーム(DOP)プロジェクトにも参画し、今後飛躍的に伸びていくことが予想されるドローンビジネスにおいて、国内ドローン関連の製品・サービスの社会実装を加速するための活動をプロジェクトパートナーとともに推進しています。
※ドローンジャパン株式会社の「DOPのパートナーマップ」(2024年6月4日現在)より掲載
DOPプロジェクトでは、ドローンのコンパニオンコンピュータとして「DOP HUB構想」を提唱しており、ドローンのフライトコントローラー、バッテリー、パラシュート、カメラ等のあらゆるデバイスを簡単に統合でき、かつ、AI、遠隔操作、高可用性などの要素を含む様々なアプリケーション開発のスピードを加速させる環境の提供を目指しています。
DOP HUB(BUD)の構成概要
アドバンテックは、産業用コンピュータのリーディングカンパニーとして、引き続き、世の中のお役に立つソリューションの提供に寄与いたします。
<ドローン・ジャパン株式会社 取締役会長 春原久徳 様からのコメント>
ドローンが産業界での運用が本格化するにあたり、ドローンのサービス事業者や活用ユーザーにとって、より個々のニーズに応えるためのカスタマイズが重要になってきております。その際、機体メーカーだけでソリューションを提供することは難しく、水平分業型の産業構造を築いていくことが重要になります。その構造の中で各デバイスメーカーやアプリケーションメーカーにとって、共通化されたコンパニオンコンピュータである「DOP HUB」は各社のデバイスやソフトウェアを“繋ぐ”ための重要なコンポーネンツになります。
産業用ドローン向けのコンパニオンコンピュータプラットフォーム「BUD」は「DOP HUB」に相応しいコンポーネンツとして、構想当初から協力いただき推進して参りました。
今回の「BUD」のアップグレードにより、DOPパートナーにとって、より使いやすく、拡張性の幅が広がっていく形になっていくと期待しています。
■アドバンテック株式会社について
わたし達アドバンテックは、⻑年培ってきた産業用コンピュータの知見と知識を活用して、協力パート ナーとの共創を大切にしながら、世の中の様々な課題を解決する活動をしています。今後、飛躍的にマ ーケット規模の拡大が予想されるドローン業界においては、より高い信頼性を持つコンピュータが必要 とされますので、アドバンテックはそのニーズにお応えして、ドローン業界における課題の解決に寄与 したいと考えています。
■ドローンオープンプラットフォームプロジェクトについて
「ドローン関連企業の技術連携プラットフォーム形成に向けて」をコンセプトに推進されるプロジェク トです。ドローンを各技術ブロックやカテゴリーブロックに分解し、セーフティ・セキュリティリスク の軽減、機体の運用管理の強化、ドローン用スマートデバイスの接続性向上の実現を目的として活動を 行っています。2022年に活動を開始し、2024年6月現在60社の企業が参加しています。(DOPウェブサイト )