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PCB実装工程の見える化

2020/11/19
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PCBにおけるSMT実装工程は通常、はんだ印刷、部品マウント、リフロー工程で構成されます。このうちリフロー工程は、その長さに応じた段階的な温度で設定され、異なる製品やプロセスには異なるリフロープロファイルが必要となります。従来、リフロー工程は技術者によって手動で操作されてきましたが、設定が適切でないとロット単位で不良となり、莫大な経済的損失を生むリスクがありました。さらに、従来のリフロー装置は問題を追跡して特定するためのデータベースが完全な記録として残っておらず、波及性の特定が困難でした。

 

マイクロモジュールや半導体パッケージ、PCBアセンブリのOEMサービスを提供する台湾の電子部品企業(B社)も例に漏れず、上記の問題に直面していました。そこで、台湾のオートメーション企業 MiRLE社とAdvantechに対して、PCBリフロー工程の自動化と資産管理の改善を実現するソリューションを求めました。

アドバンテックテクノロジーズのPCB製造

アドバンテックテクノロジーズ(ATJ)は、産業用電子機器用のPCB製造「ものづくり」でお客様の信頼を獲得してきました。人の知をつなぐ。 弊社はこれまでに培ったものづくりの知見に、Advantech最新のAI・IoT技術を活用する事で、より安心・安全な製品をお客様にお届けします。

 

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アプリケーション要件

B社のシステム要件として、各リフロー装置の側に、自動リフロー工程を制御・実行するための産業用コンピュータを一台ずつ配置することが挙げられました。このコンピュータは、リフロー制御ユニットに接続され、①バーコードリーダー、②リフローのヒーター温度コントローラ、③リフロー工程のゾーンごとのデータを収集するアドオンモジュール、④生産フローの計測向けに、4つのシリアルポートを搭載する必要があります。

 

自動化に加えて、機器をリモート管理し、必要に応じてア資産管理機能を実行可能なソフトウェアも求められました。このソフトウェアには、現場のオペレーションと製造実行システム(MES)などのバックエンドシステムの情報をデータ接続する「Restful API」が必要になります。

ソリューションの概要

Advantechのソリューションを導入することで、PCBリフロー工程の作業工程は著しく簡略化されます。オペレーターは事前にリフロープロファイルを設定し、DBに保存した後、ポータブルスキャナを使用して、シリアル番号や必要な温度プロファイルなどのロットに対応する生産情報をリストアップします。その後、システムが自動的にリフロープロセスを開始し、対応するリフロープロファイルに応じて異なる各ゾーンで温度を調整します。

 

リフローの各ゾーンは、エッジインテリジェンスサーバー 「EIS」 (AdvantechのコンパクトでハイスペックなPC)によって監視、制御され、リフロー実行中の温度プロファイルなどのデータは後日、オペレーターが内容を確認できるように、詳細に記録されます。データはバックエンドサーバを経由して、B社の製造実行システム(MES)と統合されます。B社は、このリフローのオートメーション監視システムにより、IoT対応のインテリジェントオートメーションに基づいた「インダストリー4.0」の製造環境を構築できます。

「EIS」製品の概要
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「DeviceOn/ iEdge」を付属

「Kubernetes」ベースのデータサービスサーバー

ソリューションの詳細

PCBのリフロー工程監視制御システムを実現するため、Advantechはエッジインテリジェンスサーバー「EIS-D120」を提供しました。このサーバーは豊富なシリアルポートと驚異的な拡張性を備えており、エンドユーザーは周辺機器(ここではヒーター温度コントローラ、携帯式バーコードリーダー、Advantechのデータ取得モジュール「ADAM」)、データサービスサーバー「EIS-S230」)と容易に統合できます。 

 

EIS製品には、IoTデバイスのリモート管理ソフトウェア、およびIoTアプリケーションの開発ツールとして「DeviceOn/ iEdge」がインストールされており、設計者はデータ取得、インターネットゲートウェイ、リモート監視・制御、クラウド接続などのシステム機能を容易に設計・開発できます。システムインテグレータは、開発ツールキットに含まれるダッシュボードクリエーターを使用して、高度にカスタマイズ可能なダッシュボードを構成し、「データの見える化」を実現できるほか、他のAPIを使用して外部のアプリケーションシステムとの接続を確立し、高度なバックエンド統合を強化できます。

システム相関図

「DeviceOn/ iEdge」は、システムインテグレータに対して、産業ごとに異なる通信プロトコルを、統一された1つのIoT言語に変換するためのプラグイン開発キットも提供します。これにより、システムは様々な現場環境に適応でき、他の方法では取得が困難な機器データを正確に取得・送信できます。EIS製品のこうしたゲートウェイ機能は、システム全体のデータ統合による「工場の自動化(FA)」を実現します。

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iEdgeの機能
EIS製品の魅力
  • PCBのリフロー工程を、従来の手作業から自動制御・監視に置き換え、人的操作におけるエラーを減らし、生産性と歩留まりを向上します。

  • リフロー工程の動作状態を追跡し、生産情報のトレーサビリティを確立するために、リフロー装置のデジタル情報を記録します。

  • 製造実行システム(MES)などのお客様の情報システムとのプラットフォーム統合により、ワークフローと機器管理をより効率化します。

採用製品一覧

EIS-D120

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  • プロセッサ: Intel® Celeron® J1900 Quad Core 2.0GHz SoC
  • メモリ: 4GB
  • ストレージ:64GB 2.5″ SATA III SSD
  • O/S: WES7E/Win 10
  • ディスプレイ:1 x HDMI、1 x VGA
  • I/O :2 x GbE LAN、3 x USB 2.0、1 x USB 3.0、2 x RS-232、 2 x RS-422/485
  • 電源入力:9 ~ 36 VDC in
  • 寸法:264.5 x 68.4 x 133.0 mm 
  • 動作温度対応: -20 ~ 70° C

 

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EIS-S230

EIS-S230_Front-left_O_1200x675
  • プロセッサ:Intel® Xeon® E3-1275 V6
  • ストレージ:512GB mSATA SSD (OS) / データストレージ(OS)
  • メモリ:32GB DDR4 ECC 2400MHz SO-DIMM
  • OS:Ubuntu 16.04
  • ディスプレイ:HDMI x 1、VGA x 1
  • I/O:USB 3.0 x 8、GBE LAN x 4、シリアルポート x 4
  • 電源入力: 9~36V DC-in (AT/ATX mode)
  • 寸法:156.5 x 205 x 230 mm
  • 温度対応: 0 ~ 40 °C

 

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「EIS-D120」は「ARK-2121L」、「EIS-S230」は「ARK-3530」をベースに設計されています。

「ARK-3530」の類似製品「ARK-3531」の詳細はこちら。

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