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射出成型機工程のDX

2021/01/12

plastic_injection_DIS_1600x898従来型のプラスチック製造工場では、手動で記録されたデータに基づいて機器の稼働時間と稼働率を決定するため、人為的ミスや従来の慣行によりエラーが発生し、データの正確性を低下させる恐れがあります。また、他の多くの産業と比較して、プラスチック工場にはデジタルコントローラーを搭載していないレガシー機器が多く、IoTベースでのインテリジェントな製造・管理を実装することは困難なケースが見受けられます。

 

台湾で最も有名なプラスチック射出成形サービスプロバイダー である I-Liang Resin Co. Ltd. によって委託を受けたIT企業 Sunstigeは、従来型の製造工場がインダストリー4.0の製造・管理に向けて直面した障壁を打破するための IoTソリューションを提供しています。Sunstige は2019年、Advantechと提携し、プラスチック製造工場の射出成形機を対象に、機器に接続された三色LEDライト(赤・黄・緑)を活用して機器の動作状態を理解するためのソリューションを開発しました。赤色ライトは故障、黄色ライトは非稼働時間、緑色ライトは稼働時間を示します。ライトの表示時間と表示色がデータ情報として現場のエッジサーバーに送信され、機器の可用性の分析、およびデータの保存が実行されます。

 

 

このソリューションの監視システムは、製造設備の資産管理改善に向けた意思決定の参考となる、客観的で科学的な統計データを提供します。多くの従来型の製造工場に複製・展開でき、設置にかかる時間とコストを最小限に抑えながら、極めてセキュリティの高い方法で運用データを収集するために役立つほか、従来型の製造工場の変革と改善を実現します。

アプリケーション要件

プラスチック射出成形工場の多くは、データ収集用のデジタルコントローラーを持たない古いレガシーな機器を使用しており、新たなソリューションは以下の要件を満たす必要がありました。

  • データ収集用のセンサーとアドオンデータモジュール(機器に接続)
  • データ収集用の3色LEDライト(表示時間と表示色を信号でライトで表示)
  • エッジサーバー(三色LEDライトのデータが送信される)→ 工場全体のデータを統合 、IoTゲートウェイ、データベース機能、高性能処理/、複数のI/Oポート、データの視覚化とデバイス管理用のプリインストールソフトウェアを内蔵

 

ソリューション

EIS-D150_system_diagram_1920z1988 (1)

I-Liang Resin Co. Ltd.の射出成形設備のエッジサーバーに、Advantechの「EIS-D150 」が採用されました。「EIS-D150 」は 4GB RAMおよび64GB SSDを搭載し、第6世代Intel UシリーズCore i5プロセッサ対応のハイエンドサーバーです。複数のI/Oポートを提供し、最大20個のAdvantechのデータ取得モジュールの「ADAM-6050」(イーサーネット)または「WISE-4051」(ワイヤレス)に接続できます。ユーザーは1台のサーバーを配備するだけで、工場全体のすべての機器からのデータを統合でき、多くのコスト抑えることができます。「ADAM-6050」は、イーサネット経由でデータを送信し、「WISE-4051」はワイヤレス経由でデータを送信するAdvantechのデータ収集用モジュールです。どちらも、現場のネットワークの確立に応じてユーザーに柔軟なオプションを提供します。

 

AdvantechのEIS(エッジインテリジェンスサーバー)には、デバイス管理ソフトウェアソフトウェア「WISE-PaaS / DeviceOn」(現名称:WISE-DeviceOn)が事前にインストールされており、現場で使用されているあらゆる種類の通信言語を標準IoTプロトコルへ変換することができます。このIoTエッジコンピューティング機能により、業界の多様なシーン、アプリケーション環境で簡単に、かつ迅速にソリューションを展開できます。システム設計者は「WISE-PaaS/DeviceOn」 から複数のAPIを提示されるため、データの視覚化、結果の分析、カスタマイズしたメッセージの送信などを含むアプリケーション機能を簡単に開発することができるほか、クロスプラットフォーム機能によって、電子メールやLINEといったアプリケーションとリンクすることができ、ユーザーはデバイス上でいつでもどこでも機器の状態を追跡、把握できます。

 

AdvantechのEIS(エッジインテリジェンスソリューション)を導入後、現場の射出機監視システムと会社の上位層の情報システムが迅速に接続され、生産性、資産投資、管理を改善する方法に関するデータドリブンの意思決定プロセスが構築されました。これにより、工場管理者はより多くの情報に基づくデータドリブンの意思決定を下せるようになり、機器監視システム要件に最適なコンピューティングソリューションであることが証明されました。

ソリューションの利点
  • 従来の製造方法では取得が困難であった機器のデータを取得するため、セキュリティ性が高く、簡単かつ迅速な方法を提供
  • 機器監視を実装するためにユーザーの機器を変更する必要がない
  • 従来の手動によるデータ記録→機器の可用性の値を取得してリアルタイムの生産監視を行うITメソッドに置き換え
  • 従来の製造工場の機器のアップグレードをサポートし、IoTベースでの産業変革を実現
  • より効率的な設備投資や生産性の改善による設備稼働時間と可用性の向上など、データ駆動型の意思決定のメリットを構築
採用製品
EIS-D150_820x399EIS-D150
  • プロセッサ:Intel®Core™i56300U、電源入力12VDC(オプション:9〜36 V)
  • メモリ: 4GBDDR3L 1600MHzメモリ内蔵(最大容量:16GB / 1600MHz)
  • ストレージ64GB 2.5 "SATA IIISSD内蔵
  • 拡張温度対応:-20〜60°C、デュアルディスプレイ(1x VGA、1 x HDMI)
  • I / Oインターフェイス:2x GbE LAN、2 x USB 2.0、4 x USB 3.0、4 x RS-232 / 422 / 485、1xデジタルI / O、ライン出力/マイク入力
  • 寸法(WxHxD)260 x 54 x 140.2 mm
  • WISE-PaaS / EdgeSenseおよびWebAccess / SCADA
  • クラウドアプリケーション用のMicrosoft Azure IoT EdgeとAWS Greengrassを内蔵
  • 包括的な開発ツールとドキュメント:Node-RED データフロー、ビジネスロジックの設計、ダッシュボードビルダー、プロトコルプラグインSDKおよび設定ツール

 

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Advantechについて

Advantechは、IoTインテリジェントシステムおよび組込みプラットフォームの分野でグローバルトップシェアのインダストリアル・プラットフォームメーカーです。「Enabling an Intelligent Planet(インテリジェントプラネットの実現)」をコーポレートビジョンに掲げ、近年はIoT、ビッグデータ、AIのトレンドを取り入れ、エッジインテリジェンスなWISE-PaaS AIoTプラットフォームとマーケットプレイスのインダストリアル業界向けソリューションを提供し、クライアントとビジネスパートナーとが結びつきを深め、AIoT時代の新たなビジネスをCo-Creation(共創)できるエコシステムの実現を進めています。

(ウェブサイト:www.advantech.com

アドバンテックテクノロジーズ(ATJ)について

アドバンテックテクノロジーズ株式会社 (略称:ATJ、旧オムロン直方) は、Advantechグループの日本国内拠点として、Advantech製品の販売ならびに、医療設備、ロボット産業、設備産業などのインダストリアル向け電子機器のMade In Japan 開発・製造サービス(DMS/ODM/EMS)を提供しています。Advantechの豊富なAIoT関連製品を日本国内のお客様ニーズに合わせたカスタマイズサービスにも対応し、AI x IoT時代の新たなデザイン・イン・サービスをご提案致します。

 

 

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