SQFlash SSD 車内での突発的な電源障害からデータを保護
車載アプリケーションのシステム設計は、激しい温度変動、強い振動、高湿度などの動作環境の劇的な変化に対処する必要があるため、要件仕様の段階から大きな課題に直面します。
例えば、システムの設計段階では予期できない不安定な電源供給によるトラブル等に見舞われるケースが挙げられます。こうした、予期できないデータ損失を防ぐため、信頼性の高いシステム設計が求められるのです。
アプリケーション要件
当社のデベロッパー・パートナーであるA社は、車内監視システムの開発を進めていましたが、車両の強い振動に耐えうるストレージ・ソリューションや、幅広い温度条件下の動作保証、および防振設計に苦心していました。 ストレージで扱うデータは、乗客と交通の安全に直結しています。
こうした重要なデータ損失の防止は不可欠であり、深刻な電力変動が発生した場合は特に、安全、かつ安定したシステム設計が重要になります。他にも、自動車の電子機器に関する電磁干渉(EMI)問題があり、ストレージ・システムの稼働率を100%に維持するソリューションの開発が、最も困難な課題としていました。
ソリューション
監視システムには、各トラックごとに2TBの大容量SSDを内蔵した4つの高速SATAポートが搭載されていました。そこでA社は、システムのストレージに、AdvantechのSQFlash 910SシリーズSATA SSDを採用しました。
このSSDは、ICレベルで最先端の停電保護機能を備えており、コントローラICによって、低レベルのデータ整合性を管理して、データの各ビットが100%保護されるよう調整します。 SSD内部ボードの電源回路は、内部電源管理機能を備えており、スムーズな電源ON/OFF操作を確保することで、不安定な電源供給問題を解決します。
また、SSDの内部にデータをキャッシュすることはありませんが、フラッシュ管理機能により、有効なデータを常に、不揮発性メモリに適切に保存します。さらに、このSQFlash 910Sシリーズには、幅広い温度に対応する産業グレードのタンタルコンデンサ(一時的に電気を蓄えるコンポーネント)が搭載されています。このコンデンサは、電源管理回路および、対応するファームウェアと連携して、SSD内の回路に、常に安定した電源入力を提供します。
セキュリティを強化するため、当社のSQFlash SSDは、フラッシュICに書き込まれる前に、すべてのデータを暗号化するAESチップなどのAES-256内部暗号化機能を搭載しています。したがって、元のICフラッシュデータが、悪用する目的で持ち出されても、解読が不可能な仕組みとなっています。この内部暗号化機能により、SSD内のすべてのデータを、0.01秒以内に消去できるため、危機的な状況下でも迅速な消去が可能になります。
加えて、柔軟性を高めるために、ハードウェアGPIOピンおよび、カスタマイズ可能なソフトウェア・キーコマンドを備えており、消去操作のトリガーを可能にすることで、遠隔でデータを消去をすることができます。また、SQFlash 910Sシリーズは当社の組込みシステムを使用した全EMI認証試験に合格しています。
結果として、優れたSSDパフォーマンス、広範囲のセキュリティ機能、データ保護機能を備える車載監視システム用ストレージを実現しました。
利点
- 総合的なストレージ設計技術を活用して、統合型・高信頼性SSDソリューションを提供
- 不安定な電源環境に対処するための電源故障保護設計
- SQFlashがサポートする包括的なセキュリティ機能により、システム全体のセキュリティ/データ保護機能を強化
- コンフォーマルコーティングとICサイドフィルで、堅牢性が必要なアプリケーションに対応
- 過酷な環境下で動作可能な、信頼性と耐久性に優れた産業グレードのSSD
主な特徴
推奨製品
SQF-S25 910S |
|
Advantechについて
Advantechは、IoTインテリジェントシステムおよび組込みプラットフォームの分野でグローバルトップシェアのインダストリアル・プラットフォームメーカーです。「Enabling an Intelligent Planet(インテリジェントプラネットの実現)」をコーポレートビジョンに掲げ、近年はIoT、ビッグデータ、AIのトレンドを取り入れ、エッジインテリジェンスなWISE-PaaS AIoTプラットフォームとマーケットプレイスのインダストリアル業界向けソリューションを提供し、クライアントとビジネスパートナーとが結びつきを深め、AIoT時代の新たなビジネスをCo-Creation(共創)できるエコシステムの実現を進めています。
(ウェブサイト:www.advantech.com)