河川管理システムの研究開発 WEBサイト
カーボンニュートラルへの貢献をめざした
工学部電子情報工学科の取り組み
産学官連携

河川管理システムの
研究開発

▶ 大橋研究室
※データ収集およびコンテンツ作成:福岡大学

ごあいさつ

大橋 正良
大橋 正良

福岡大学工学部電子情報工学科大橋研究室 ならびに B5G/IoT基盤活用研究所では、これまで直方市らと産学官連携体制をとって、直方市内の遠賀川流域の中小河川の水位管理ならびに樋門管理の研究開発を進めて参りました。
特に2022年度からは総務省戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)、社会展開促進型研究開発に本申請1件のみ採択され、社会の実課題に実装を通じて貢献するR&Dを目指しています。
本プロジェクトでは特に低消費電力で、かつ直方市街地をカバーし得る、LPWA(Low Power Wide Area)という通信技術を利用し、これからのカーボンニュートラルに少しでも貢献できるよう努力しています。


※大橋教授は2024年3月に福岡大学を退官され、名誉教授となられました。

LoRaWAN省電力型
ワイヤレスネットワーク

LoRaWAN 省電力型
ワイヤレスネットワークとは?
 LoRaWAN(Long Range Wide Area Network)は、低電力広域ネットワーク(LPWAN)の一種であり、遠距離で低消費電力のデバイスとインターネットを接続するための通信技術です。
LoRaWANは、センサーやアクチュエータなどのIoTデバイスが、およそ数キロメートルの範囲で通信するのに適したプロトコルとネットワークアーキテクチャを有しています。
主な特徴は以下の通りです

1.
広範なカバレッジ
LoRaWANは、無線信号の強力な到達性を活かして、都市部や郊外などの広範な地域をカバーすることができます。1つのゲートウェイ(基地局)が複数のデバイスと通信できるため、コスト効率の良い通信が実現されます。
2.
低消費電力
IoTデバイスはバッテリー駆動が一般的であり、長寿命の動作が求められます。LoRaWANは、デバイスが休眠モードに入ることで電力を節約し、必要な時にデータを送信することができるため、消費電力を最小限に抑えます。
3.
セキュリティとプライバシー
LoRaWANは、AES暗号化などのセキュリティ機能を提供し、データの安全な通信を確保します。また、デバイスとネットワーク間の認証やプライバシー保護にも配慮されています。
4.
複数のアプリケーションに
適用可能

農業、スマートシティ、産業制御など、さまざまな分野で利用されています。センサーデータの収集、遠隔操作、環境モニタリングなど、様々なアプリケーションに適しています。
 IoT分野では今後、農業をはじめ各種の産業に広く浸透してゆくことが期待されています。
この下で必要な情報を確実に、かつ低消費電力・低コストで実現できるかがキーポイントで、その観点からも私たちはLoRaWANの活用を試みています。

システム全体の構成

システム全体の構成 システム全体の構成
ソーラパネルによる<br>自立運用(2台)
ソーラパネルによる
自立運用(2台)
LPWAによる樋門の遠隔開閉制御
LPWAによる
樋門の
遠隔開閉制御
超音波水位センサ
超音波
水位センサ
両方向圧力センサによる水向検出
両方向圧力
センサによる
水向検出
水位・水向センシング
データ連携
○流向・流速監視 ○遠隔樋門監視制御
○水位監視 ○自治体ローカルDB
LPWA 基地局
LPWA 基地局
データ連携
クラウド(AWS等)
クラウド(AWS等)
システム全体の構成
各種情報蓄積
スマートフォン
スマートフォン
PC
PC
水位・水向情報提示 &樋門遠隔制御
HMD
HMD
制御ハンドル
制御ハンドル
VR樋門
VR樋門
VRによる樋門状況可視化&制御
ソーラパネルによる<br>自立運用(2台)
ソーラパネルによる
自立運用(2台)
LPWAによる樋門の遠隔開閉制御
LPWAによる
樋門の
遠隔開閉制御
超音波水位センサ
超音波
水位センサ
両方向圧力センサによる水向検出
両方向圧力
センサによる
水向検出
水位・水向センシング
VRを用いた樋門制御システム
VR上での操作による、
LPWA通信を介した
遠賀川流域の実樋門の上昇下降制御の
デモンストレーション

直方市に敷設した
LoRaWANネットワーク

LoRaWANネットワーク
LPWA(Low Power Wide Area-network)と呼ばれる通信技術により、省電力かつ長距離での無線通信が可能になり、 市が要望した地点での観測が可能になりました。
また、直接接続できなかった個所も中継器の設置で接続できました。

水位・水向並びに
冠水・マンホール水位センサの
観測機器開発・設置

河川、農業用水路などの増水に備え、予想される危険な箇所に水位・水向センサを設置(上図参照)し、リアルタイムな計測情報をLPWAを介して伝送することで、市役所で状況を確認できます。 同時にデータは逐次クラウド(AWS)に蓄積しています。
令和4年度は10ヶ所、令和5年度は10ヶ所にセンサが設置されました。
開発センサ例を以下に示します。
超音波水位センサ
超音波水位センサ
タブレットによる水位可視化
タブレットによる
水位可視化
冠水センサ
冠水センサ
マンホール水位センサ
マンホール水位センサ
圧力センサによる水向計測
圧力センサによる
水向計測

2022~2023年度水位センサ
設置場所(20か所)

2022年度水位センサー設置場所 ①下境北交差点付近 ②感田前田橋 ③藤棚駅アンダーパス ④若宮川アンダーパス ⑤明神工業団地下 ⑥赤地排水機場 ⑦藤田川赤地地区 ⑧中泉小下住宅地 ⑨福地川調整池調整池側 ⑩知古柳原樋門
①下境北交差点付近
②感田前田橋
③藤棚駅アンダーパス
④若宮川アンダーパス
⑤明神工業団地下
⑥赤地排水機場
⑦藤田川赤地地区
⑧中泉小下住宅地
⑨福地川調整池調整池側
⑩知古柳原樋門
⑪植木駅裏
⑫池代池
⑬中泉88号線
⑭阿高神社
⑮下境北交差点道路
⑯知古美容室前
⑰知古コンビニ前
⑱知古駐車場前
⑲知古ドラッグストア前
⑳感田マンホール
①下境北交差点付近
①下境北交差点付近
②感田前田橋
②感田前田橋
③藤棚駅アンダーパス
③藤棚駅アンダーパス
④若宮川アンダーパス
④若宮川アンダーパス
⑤明神工業団地下
⑤明神工業団地下
⑥赤地排水機場
⑥赤地排水機場
⑦藤田川赤地地区
⑦藤田川赤地地区
⑧中泉小下住宅地
⑧中泉小下住宅地
⑨福地川調整池調整池側
⑩知古柳原樋門
⑪植木駅裏
⑫池代池
⑬中泉88号線
⑭阿高神社
⑮下境北交差点道路
⑯知古美容室前
⑰知古コンビニ前
⑱知古駐車場前
⑲知古ドラッグストア前
⑳感田マンホール

全体の計測状況の例

計測状況の可視化
計測状況が可視化されています。
(1部切り出した結果)
PC・モバイル端末で確認できます。
R5年度の主な実施施策
R6年度以降
研究開発の意義
メディア等の主な掲載実績

令和5年6月の
九州大雨時の計測

直方市で
観測している様子
直方市で観測している様子
センサ設置個所の
様子(感田)
センサ設置個所の様子(感田)
直方市感田地区
水位測定システム
直方市感田地区水位測定システム
下境北交差点付近(冠水によりセンサ停止)
下境北交差点付近(冠水によりセンサ停止)
泥が被った跡が...
水位の計測結果
下境北交差点付近の冠水の様子
下境北交差点付近の冠水の様子
下境北交差点付近の冠水の様子
下境北交差点付近の冠水の様子
令和5年6月の大雨の状況
  • センサ設置10箇所中、9か所が5分間隔でデータを計測しLPWAネットワークも順調に動作を継続した。
  • ただし途中2ヶ所のセンサが、おそらく浸水に起因し、動作を停止した。(後の調査で冠水が確認された)
  • LTEアクセスを介して設置した2ヶ所のセンサ(感田・木屋瀬)も画像も含めデータを計測し続けた。
    教訓:
    計測/通信設備は十分高い所に据えるべき。水位センサは張り出して設置しているが損傷の際は交換で済ませたほうが良いか。
感田木屋瀬の様子

直方市について

直方市
直方市
  • 1931年から市政施行(2021年に90周年)
  • 筑豊平野の中心部にあり、遠賀川、福智山などがあり自然に恵まれている。
  • かつては石炭産業で栄えたが昭和30年代以降閉山
  • 現在は商工業がバランスよく発展
直方市90周年ロゴマーク
直方市の広報より引用
直方市花文化
観光ビジョンムービー

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